【レポート】共同プロジェクト授業『感情の学び』私立新渡戸文化小学校様~3学期~
こんにちは。
個性教育学インストラクターの斎藤友美(ともみん)です。
子ども未来がっこうでは、
私立新渡戸文化小学校様と一緒に進めている、「感情の学び」プロジェクトも、
いよいよ3学期に入りました!
感情を学ぶことは、自分と他者の理解と尊重につながる第一歩。
1学期、2学期を通して、
- 自分自身の感情に気づく、表現する、言葉にする
- 相手の感情に気づく、その理由を知る、尊重する
「感情にはいろいろな種類があること」「人によって感じ方が違うこと」「自分や他者の気持ちを尊重すること」を積み重ねてきました。
その土台作りを経て、子どもたちは新たなテーマに取り組み始めました。それは「価値観」です。
感情の奥にある「価値観」
「感情はどこから生まれるのだろう?」
この問いを投げかけると、子どもたちは「出来事があるから」「その人の気持ちや環境によるから」など、これまでの学びを活かした答えを出してくれました。
そして、「じゃあ、どうして人によって感じ方が違うんだろう?」とさらに問いを深めていくと……
「大事にしていることが違うから?」
感情の奥には、その人が大事にしているもの(=価値観)がある
このことを、3学期ではじっくりと学んでいきました。
価値観を探るワーク
まず取り組んだのは、「好きなこと」を考えるワーク。自分が好きなこと、大事にしたいことを挙げていくことで、価値観のヒントを探していきます。
たくさんの「価値観の言葉」が書かれたリストを見ながら、「自分にしっくりくるもの」を選ぶワークを行いました。
「正直」「自由」「仲間」「努力」「楽しさ」……
3年生の子どもたちにとって、初めて聞く言葉も多く、馴染みがありません。
それでも、自分の気持ちに合う言葉を見つけていく中で、少しずつ「価値観」というものが自分ごとになっていきました。
「きらいなこと」から考えるワークは、むずかしね~!という声も。
そして、特に印象的だったのが「ぶどうのワーク」。
ただリストから選ぶだけでなく、自分が大事にしたい価値観を「ぶどうの房」にしていくワークです。ひと粒ひと粒に、子どもたちが選んだ価値観の言葉を書き込み、色をつけていきました。
「この言葉、いいな」「あ、私はこっちの方が大事かも!」
最初は「なんだかよくわからない」と言っていた子どもたちも、このワークを通じて、自分の価値観を「自分のもの」として受け止める瞬間がありました。
ぶどうの房が完成するころには、一人ひとりが「自分の大切にしたいもの」をしっかりと持っていました。
ちなみに、私も帰宅後、やってみました。けっこう考えちゃうかも、でもおもしろい!
価値観を知ることで変わること
「人の気持ちって、知るのが難しい……」
そう感じていた子どもたちも、価値観を知ることで「なるほど、だからこの人はこう感じるんだ!」と、他者理解がしやすくなることを実感し始めています。
また、価値観を大切にしながら話し合うことで、合意形成もしやすくなります。「みんな違う大切なものを持っている」ことを前提にすると、相手の意見を尊重しながら自分の考えを伝えることができるからです。
この学びが、子どもたちのこれからの対話や人間関係に活かされていくことを願っています。
感情の学びが、さらに深まる3学期。子どもたちの気づきと成長が楽しみです!
先生とインストラクターの対談
3学期の授業を、個性教育学インストラクターとして見学させていただきました。その後、先生と一緒に「感情の学び」について、中庭で対談をしました。
「なぜ、感情の学びを取り入れようと思ったのか?」 「実際にやってみて、子どもたちにどんな変化があったのか?」 「これからの学びにどうつなげていきたいか?」
先生の言葉には、感情教育への深い想いが詰まっていました。
対談を通じて、個性教育学インストラクターとして活動していくうえで、非常に大切な視点を学ばせていただきました。感情の学びが、子どもたちの未来にどんな影響を与えていくのか、これからも見守り続けたいと思います。
